岩盤浴は今では、女性だけでなく男性にも人気の健康法になっていますよね。しかし、岩盤浴に行ってみたことはあるけど、あまり仕組みや効果についてよく知らない・・・という方も多いのではないでしょうか?今回は、岩盤浴がなぜ健康・美容にいいのかを改めて解説していきます。
岩盤浴とサウナは違うの?
サウナは身体(皮膚)を外部から温めるため、サウナでかく汗は暑い時やお風呂に入った時に出る汗と同じで、汗腺からの汗です。体重を減らすことや老廃物の排出はできますが、重金属や化学物質のデトックスはできません。
一方、岩盤浴は遠赤外線によって体内の水分子に働きかけます。身体の深部から温め皮脂腺を開き、酸化された古い脂と共に老廃物や化学物質を排出します。その後、新陳代謝により新しい脂が出てきます。岩盤浴でかく汗は長時間のエクササイズをした時と同じサラサラとした汗です。サウナを終えた後にシャワーで汗を流さない方はいないかと思います。塩分や尿酸が含まれるベタベタした汗で気持ち悪いからです。一方、岩盤浴の汗はよい脂の出たサラサラした汗なのでシャワーで流す必要がありません。
岩盤浴の効果とは?
*美肌効果
岩盤浴では皮脂腺からも汗をかくことができるので、美肌にも効果的です。皮脂腺から汗をかくことによって、皮脂の代謝も行われます。新しい皮脂は肌の保湿に重要な役割を持っていて、天然のクリームとも言われます。その新しい皮脂と良い汗による膜が肌にでき、岩盤浴に入った後は保湿剤のような働きをしてくれます。また、血流の流れをよくすることによって、女性に多いむくみや肩こりの解消や、冷え性などの改善も期待できます。
*デトックス効果
岩盤浴は、サウナのように体を外側から温める温浴法とは違い、体の芯から温めることができます。体の芯から温めることにより、汗腺だけでなく皮脂腺も刺激され、汗と皮脂が同時に分泌されると言われています。皮脂が分泌される際に体内に蓄積された重金属や化学物質が排出されるため、デトックス効果が期待できます。現代人の食生活では体内に蓄積されやすい水銀や鉛などの重金属は脂肪細胞に吸収されやすく、重金属を取り込んだ脂肪細胞は燃焼されにくいという厄介な特性を持っています。そのため、重金属などを体外に排出することで脂肪が燃焼されやすくなり、スムーズなダイエットが可能になるというわけです。
*むくみ解消効果
岩盤浴でダイエットをする狙いは、先ほどの代謝を上げて痩せやすい体を作るところにあります。ですが、岩盤浴をすると体重がガクッと減りますが、それは大量に汗をかいて体の水分が減ったことが原因です。この発汗作用が、むくみの解消に効果があるんですよ。体のむくみは、体に余分な水分や老廃物がたまること原因で、汗をたくさんかくと、余分な水分や老廃物を体の外へ排出できます。体がむくむと、体重以上に太って見えてしまうので、むくみに悩んでいる方はぜひ岩盤浴をしてみましょう。
*ストレス解消効果
ダイエットは食欲を我慢したり、なかなか痩せなかったりするとストレスがたまります。このストレスは、ダイエットにとって厄介なもの。ストレスが体にたまり過ぎると、体調を崩したり、ダイエットを止める原因にもなります。でも岩盤浴でダイエットをすれば、マイナスイオンの効果で体をリラックスさせることができます。結果、ダイエット中のストレスを解消できるので、成功するまでダイエットを続けられるようになるんですよ。
*自律神経を整える効果
私たちが生きていく上で、とても重要な存在の「自律神経」。自律神経とは、血圧や脈拍など私たちが自分の意思でコントロールできない体の部分です。自律神経の働きには、リラックスしている状態で優位になる副交感神経と、緊張・興奮している状態で優位になる交感神経があり、健康な状態であれば必要に応じて2つの神経は自然と入れ替わることになります。しかし、現代では交感神経優位の状態が続き「眠いのに寝ることができない」「動いていないのに動悸・息切れがする」「急に汗が吹き出る、または暑いのに汗をかかない」など、自律神経に異変をきたす人が増えています。これがよく耳にする「自律神経失調症」の恐れがある症状です。
自律神経失調症は、他の病気のように何らかの明確な原因があるわけではありません。そのため原因がわからず、不調に苦しむ人も多数存在します。そんな自律神経失調症にも効果があるといわれているのが、岩盤浴です。サウナに比べると室温は低いですが、60%を超える湿度を保っているため、自然と汗が出てきます。その結果、自律神経のバランスが整い、血液やリンパの流れが改善されるのです。
岩盤浴で体重は減るの?
岩盤浴では、実際に体重が落ちることがよくあります。1回岩盤浴をするだけで、体重が1~2kg落ちることもあります。岩盤浴で体重が1~2kg減るというと痩せたように感じますが、これは体脂肪が減ったわけではありません。汗をかいて水分が減っただけで、汗をかいて体重が減った分は、その後に水分を摂るとすぐに戻ります。
岩盤浴で体重が落ちた場合も痩せたわけではなく、体重が戻った場合も太ったわけではありません。この体重の変化は、ほぼすべて体の水分量の変化で、体脂肪はほどんど減っていません。
岩盤浴の入り方は?
・岩盤の上にバスタオルを敷き、約10分間仰向けの姿勢で温浴します。
・次に約10分間、うつ伏せの体勢で温浴します
・その後、5分間、岩盤浴の部屋の外で休憩をとります。
この約25分間をセットとし、2~3回繰り返します。岩盤浴の効果を得るためには、岩盤の上でゴロゴロ寝転がるのではなく、一定の時間同じ体勢で体をしっかり温めるのがポイントです。仰向けの姿勢のとき、頭をどちらかの方向に向けたままだと首が痛くなってしまうので、途中で向きを変えるといいかもしれません。それでも首が痛い場合は、柔らかいタオルの上に顔を乗せて、首を真っすぐ下に向けた体勢にするとよいと思います。
岩盤浴の頻度は?
岩盤浴に通う理想の頻度は、ズバリ、週に1、2回。ただしこれは「絶対に通わなければならない」とか「絶対にこの回数を超えてはダメ」というようなものではありません。ここでいう理想の頻度とは、「(体力的にも時間的にも金銭的にも)無理なく通えて、岩盤浴の効果を十分に感じられる」回数だと考えてください。
岩盤浴の効果と言えば、体を内側から温めることで、血行を良くしたり、新陳代謝を活発にしてくれたりすることです。この効果は、週に1回程度の利用でも十分に感じられると言われています。「最初のうちは張り切って週に何度も通ったものの、肉体的にも金銭的にも無理がきてしまい、やめてしまった」では、もったいないです。体調を整えるという点で、長期間続けることを目指しましょう。
効果を高めるポイントは?
*水分補給はこまめにしましょう
岩盤浴では汗を大量にかくので、こまめな水分補給が必要です。必ず500~800mlくらいの水を飲むようにしてください。しっかりと水分補給をしないと、効率的に汗をかくことができずデトックスの効果も高めることができなくなります。また、飲み方のコツとしては、喉が渇いたからと一気に飲むのではなくちびちびと小まめに水分補給をするとよいでしょう。
*呼吸も意識してみましょう
岩盤浴中の呼吸のしかたを変えると、さらに効果を高めることができます。鼻からゆっくりと息を吸い込み、口から吐きましょう。この時、息は長めに吸うのがコツです。ゆっくりとした呼吸は自律神経への温熱効果を高めることができ、効果的です。また、腹筋を意識して行うとさらに効果的UPできますよ。
岩盤浴の注意点は?
*汗は洗い流さない
汗をかくとつい洗い流したくなりますが、岩盤浴でかく汗には、良質な皮脂成分が豊富に含まれています。免疫力UPや肌の状態を整える効果があるので、シャワーで流さず自然乾燥させるのがオススメです。自然乾燥だと冷えが気になる方は、軽くタオルで拭き取るのでもかまいません。また、入浴後はすぐに化粧水や保湿乳液をつけたくなりますが、最低でも1時間くらいおいてからつけた方が効果的です。天然の皮脂膜はとっても効果がありますから、化粧品をつけてしまうのはもったいないですよ。
*食後は避ける
岩盤浴によって全身の血行がよくなることで、消化を妨げることになりかねません。最低でも食後から1時間以上開けてから行いましょう。
*妊婦さんには不向き
岩盤浴の遠赤外線による、妊婦へのマイナス影響は今のところないと言われていますが、ただし、一般的に妊娠中は体温の上げすぎや疲労は避けた方がいいと言われますから、体への負担の大きい岩盤浴は避けた方が安全でしょう。
*体調不良の時はしない
風邪の時、熱を下げるために汗をかくとよいと言われますが、大量の発汗は体に負担になります。暖かくして安静にして汗をかく分には構いませんが、岩盤浴はやめましょう。また、風邪のウィルスをまき散らすことにもなりますから、岩盤浴をする時は万全の体調で臨みましょう。
<まとめ>
岩盤浴の美容効果がおわかりいただけたでしょうか?ただ汗をかくと言っても、サウナや運動とは異なった汗なのですね。また、やみくもにただ寝ているだけよりも、ちょっとした心がけで岩盤浴の効果はアップするので、ぜひ意識しながら岩盤浴に行ってみてくださいね。